Japanese
English
綜説
肺血管構築と呼吸器疾患
Changes of Vascular Structure and Function in Pulmonary Diseases
武政 聡浩
1
,
石井 芳樹
2
Akihiro Takemasa
1
,
Yoshiki Ishii
2
1塩原温泉病院内科
2獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科
1Siobara Onsen Hospital
2Department of Pulmonary Medicine and Clinical Immunology, Dokkyo University School of Medicine
pp.1139-1148
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100376
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はじめに
気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)など多くの呼吸器疾患は,従来より気道系を中心に病態が論じられてきており,肺の血管系から病態へアプローチされることは少なかった.しかし,あらゆる臓器,組織そして細胞は繰り返す刺激や傷害によって特有の変化を起こすものであり,低酸素や高濃度酸素曝露,異物・微生物の吸入,他臓器からの細胞障害性物質の混入によって気道系と同様に肺血管系も構造,機能が変化しリモデリングを起こし,呼吸器疾患の病態に大きく関与しているものと考えられる.近年になってようやく,気管支喘息やCOPD,急性肺傷害,および肺線維症などでも血管新生や微小血管リモデリングの機序についての解明がなされるようになってきた.
今回,様々な呼吸器疾患を肺血管構築の点から整理し,これに関わるvascular endothelial growth factor(VEGF)をはじめとする諸因子について検討してみた.
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