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特集 非結核性抗酸菌症の病態と治療
非結核性抗酸菌症の診断
Diagnosis of Nontuberculous Mycobacteria Pulmonary Diseases
鈴木 克洋
1
Katsuhiro Suzuki
1
1独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター感染症研究部
1Department of Infectious Diseases, Clinical Research Center, National Hospital Organizaion Kinki-chuo Chest Medical Center
pp.575-582
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100310
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はじめに
非結核性抗酸菌とは結核菌群とらい菌以外の抗酸菌の総称である.従来非定型抗酸菌と呼ばれてきたが,細菌学的には結核菌とらい菌が「非定型」であるとの認識が広まり,欧米ではnon-tuberculous mycobacteriaと呼ばれるようになっている.わが国でも日本結核病学会の新たな診断基準(後述)1)が2003年8月に発表され,その際,非結核性抗酸菌が正式な名称となった.非結核性抗酸菌による疾患が非結核性抗酸菌症であり,本邦では大部分が肺の慢性感染症である.世界的にはAIDS末期に合併する全身感染型の非結核性抗酸菌症が有名であるが,HAARTなどの治療法の進歩や予防法の確立により稀な合併症となった.IFN-γ受容体欠損などの先天的な免疫不全に合併する小児例や,血液悪性腫瘍に合併する例の他,一見明らかな抵抗減弱のない個体に合併する全身感染型の症例も稀に存在する.
本稿では,肺の慢性感染症である肺非結核性抗酸菌症の診断について画像と診断基準を中心に述べる.
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