Japanese
English
特集 低侵襲心臓外科手術
ポートアクセスによる心臓手術
Cardiac Surgery by the Port-Access Method
古梶 清和
1
,
四津 良平
1
Kiyokazu Kokaji
1
,
Ryohei Yozu
1
1慶應義塾大学医学部心臓血管外科
1Department of Surgery, School of Medicine, Keio University
pp.237-243
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100264
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はじめに
最近,内視鏡下,あるいは小切開創による手術が様々な外科領域において低侵襲外科手術として行われている.これは単に術後の傷が小さく目立たないという美容的な側面のみならず,標準術式と遜色ない手術成績に加え,術後早期社会復帰が得られ,医療コストの削減にもつながるという利点を有しているためである.安全確実な外科手術の確立は今日では社会的要望であるといっても過言ではない.内視鏡をはじめとする手術器具の発達といったハード面での進歩に加え,手術経験を踏まえた手技の改良により次第に適応疾患も拡大されてきている.
心臓外科領域においても,低侵襲心臓外科手術として1990年代は胸骨正中切開を行わない,部分胸骨切開や傍胸骨切開,肋間開胸による心臓手術が行われてきた.さらに冠動脈手術の分野では,人工心肺を用いない心拍動下冠動脈バイパス手術が年々症例数を増加させており,一方,心内操作が必要な手術では,Port Access手術の一つとしてPort Access MICS(minimally invasive cardiac surgery)が確立された.本稿では,Port Access MICSについて述べる.
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