Japanese
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特集 低侵襲心臓外科手術
ロボットによる心臓手術
Robotic Heart Surgery
山中 一朗
1
Kazuo Yamanaka
1
1康生会武田病院心臓血管外科
1Department of Cardiovascular Surgery, Takeda Hospital
pp.245-250
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100265
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はじめに
1953年に世界で初めてGibbonが開心術を行って以来半世紀が過ぎた.この間,人工心肺の進歩,手術術式の開発,改良によって心臓血管外科手術は著しく進歩した.弁膜症や虚血性心疾患の手術死亡率は2,3%以下となり,胸部大動脈瘤手術も脳保護の進歩から安定した成績が得られるようになった.心臓移植も免疫抑制剤によって確立した術式となり,日本でも再開された.世界初,日本初といった心臓の新術式は少なくなり,いかに安全に,良好な成績を出すかが競われるようになった.
では,21世紀の心臓血管外科はどこに向かうのか.再生医療,生体工学,ロボット手術など1990年代に生まれた新しい分野にその答えが隠れているかもしれない.いずれも様々な分野で新しい治療法として注目されており,産学が共同し,日進月歩の領域といえる.このなかで,ロボットによる心臓手術について,その歩みと将来について,私の若干の臨床経験を踏まえて述べたいと思う.
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