Japanese
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Bedside Teaching
BNP測定における心不全患者の管理
Treatment of Heart Failure guided by Plasma Brain Natriuretic Peptide Concentration
蔦本 尚慶
1
,
堀江 稔
1
Takayoshi Tsutamoto
1
,
Minoru Horie
1
1滋賀医科大学呼吸循環器内科
1Department of Internal Medicine, Shiga University of Medical Science
pp.185-189
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100257
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慢性心不全と神経体液因子
慢性心不全では,心筋収縮力低下に起因し生じる交感神経系やレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の亢進,血管収縮による後負荷の増加による心筋障害の進展という悪循環サイクルが生じている.欧米の大規模研究において強心薬,血管拡張薬,神経体液因子阻害薬(ACE阻害薬,抗アルドステロン薬,β遮断薬)が検討された結果,現時点ではACE阻害薬/アンジオテンシン受容体拮抗薬,抗アルドステロン薬,β遮断薬などの神経体液因子阻害薬が予後を改善している.また,一方心不全では利尿,ナトリウム利尿,血管拡張性に働き,さらにレニン・アンジオテンシン系や交感神経系などのcardiotoxicな神経体液因子の抑制作用を有しcardioprotectiveに作用するナトリウム利尿ペプチド,アドレノメデュリンなども亢進している.心不全(心機能低下)に伴って上昇してくる各種神経体液因子を,cardio-toxicfactor(体液貯留,血管収縮),cardioprotective factor(体液排泄,血管拡張)の2つに分けて心不全の進展や病態を考えると,いわゆる代償破綻を来した重症心不全では両者のバランスはcardio-toxic factor>cardioprotective factorとなる(図1)
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