今月の主題 症例からみる肺疾患のCT画像
肺疾患をCTで診る―肺感染症
非定型肺炎―マイコプラズマ肺炎,クラミドフィラ肺炎,レジオネラ肺炎
藤田 次郎
1
,
比嘉 太
1
,
健山 正男
1
1琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)
pp.274-277
発行日 2007年2月10日
Published Date 2007/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102004
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ポイント
●非定型病原体は感染する場が異なっているので,病変の部位を正確に判定することにより,起炎菌の推定がある程度可能となる.
●マイコプラズマ肺炎の病変の場は,線毛を有する気管支(解剖学的には終末細気管支まで)である.ただし宿主の免疫状態(Th1優位か,あるいはTh2優位か)により,陰影のパターンが異なることに留意する.
●クラミドフィラ肺炎の病変の場は,気管支,および肺胞の両者に及ぶ.
●レジオネラ肺炎の病変の場は,マクロファージ,およびII型肺胞上皮の存在する肺胞領域である.
●これらの画像所見は臨床症状にも影響する.たとえば線毛を病変の場とするマイコプラズマおよびクラミドフィラにおいては,咳が頑固であり,また終末細気管支にとどまるマイコプラズマは聴診所見が弱い,などである.
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