Japanese
English
特集 循環器用薬剤の他臓器作用,非循環器用薬剤の循環器系への作用
抗不整脈薬の他臓器作用―アミオダロンを中心に
Noncardiac Effects of Antiarrhythmic Drugs with Particular Emphasis on the Side Effects of Amiodarone
三田村 秀雄
1
,
坂巻 文雄
2
Hideo Mitamura
1
,
Fumio Sakamaki
2
1東京都済生会中央病院循環器科
2東京都済生会中央病院呼吸器内科
1Department of Cardiology, Saiseikai Central Hospital, Tokyo
2Department of Respiratory Medicine, Saiseikai Central Hospital, Tokyo
pp.453-460
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100200
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
不整脈の治療を目的として抗不整脈薬を投与するにあたっては,いろいろな要素について吟味検討しなければならない.まずその不整脈がどのようなもので,受攻性因子がどこにあり,その標的チャネルが何であるか,といった不整脈固有の特徴を理解していなければならない.次に患者固有の特徴,例えば器質的心疾患の有無や心機能,あるいは神経体液性因子の状態,さらには肝機能や腎機能についても知っておかなければならない.そして最後に薬剤固有の特徴である.薬剤が心臓のどのようなチャネルや受容体に対して,どのような作用を示すのかを熟知しておくことが,抗不整脈,催不整脈いずれの作用をも予知するのに欠かせない.忘れてならないのは心臓以外への薬の作用である.薬である以上,その薬効は心臓以外にも及ぶのは当然と心得るべきである.不整脈はよくなったが,体のほうは悪化した,ということのないよう,十分な注意を払わなければならない.特にアミオダロンについては,臓器外作用が致死的となることもあるので,項を別にして解説する.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.