Japanese
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特集 肺疾患の炎症メカニズムとその制御
特発性間質性肺炎の炎症メカニズムとその制御
Regulation of Inflammatory Response for Idiopathic Interstitial Pneumonia
森 雅秀
1
,
新井 徹
2
,
林 清二
2
Masahide Mori
1
,
Toru Arai
2
,
Seiji Hayashi
2
1国立病院機構刀根山病院呼吸器内科
2国立病院機構近畿中央胸部疾患センター呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, National Hospital Organization Toneyama National Hospital
2Department of Respiratory Medicine, National Hospital Organization Kinki‐chuo Chest Medical Center
pp.247-253
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100171
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はじめに
特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonia:IIP)は,原因が明らかでないいくつかの間質性肺炎を総称したものである(表1)1,2).なかでも特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)は,緩徐だが不可逆性に進行,時に急性増悪を来し,症状発現から数年の予後とされる難治性のびまん性間質性肺疾患である2,3).肺胞壁の炎症から線維化の進行により肺胞構築の破壊に至るとされているが4),未だに病因の機序の解明は不十分である.また,治療面の検討も徐々に進んではいるが,明らかに有効な治療薬はまだ開発されていない.IPFに対する診断治療のガイドラインはATS(American Thoracic Society)と日本呼吸器学会から公表されている1~3).
IPFについては,慢性に持続する炎症,あるいは続発する線維化といった様々な側面から研究が行われてきた.本稿では,IPFの発症機序と病態制御について,炎症の側面を中心に概説したい.
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