Japanese
English
Bedside Teaching
VALUE試験の臨床的意義
Clinical Value of the VALUE Trial
山科 章
1
Akira Yamashina
1
1東京医科大学第二内科
1Second Department of Internal Medicine, Tokyo Medical University
pp.857-863
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100086
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
高血圧治療の目的は心血管合併症の発症を抑制することであるが,レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)の亢進は心血管に有害な作用をもたらすことが明らかにされており,アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)には降圧を超えた作用(beyond blood pressure lowering effects)が期待されている.こういったARBの効果を検証するために,ハイリスク高血圧患者において血圧を同程度にコントロールした場合,第三世代Ca拮抗薬と比較して心疾患発症および死亡を抑制できるかどうか大規模臨床試験VALUE(Valsartan Antihypertensive Long-term Use Evaluation)1)が鳴り物入りで実施された.本試験の結果は2004年欧州高血圧学会で発表されたが,結果だけでなく,臨床試験のあり方,臨床試験の解釈の仕方,論文化,という点などいろいろな意味で注目を集めた臨床試験である.
試験の目的
心血管疾患のハイリスク高血圧患者において,血圧を同程度にコントロールした場合,バルサルタンがアムロジピンに比べて心疾患発症および心疾患死亡を抑制するか否かを検討するために行われた.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.