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特集 糖尿病と心疾患
心血管イベント発症予防のための循環器専門医と糖尿病専門医の連携
Joint Effort of Diabetologists and Cardiologists for the Prevention of Cardiovascular Events in Patients with Diabetes
桝田 出
1
Izuru Masuda
1
1JT京都専売病院内科
pp.271-277
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100035
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はじめに
最近,わが国でも2型糖尿病患者の心血管系イベントに関する大規模臨床研究の結果が発表されるようになり1,2),心血管系イベントの発症予防や早期発見の重要性が認識されつつある.しかし,2型糖尿病患者は増加の一途を辿り,それに伴う心血管系合併症も減少していない.この一因として循環器専門医と糖尿病専門医の連携不足が指摘されている.
当然のことであるが,糖尿病を発症した患者は糖尿病専門医や実地医家を最初に受診することになる.その際,すぐに循環器専門医に心血管スクリーニング検査を依頼することは少ない.臓器障害が進行してからでは遅いことは理解しているが,後手にまわる症例も少なくない.心血管系のスクリーニング検査は,網膜症や腎症のための眼底検査や尿検査のように簡便ではないことも原因であるが,同じ内科医でありながら専門性の壁があるように思えてならない.糖尿病治療による虚血性心疾患の予防効果が明確に示されていない現状では,両者が密接に連携して治療することが直ちに行える対策の一つであろう.このような観点から,われわれは以前から京都糖尿病・循環器ジョイントミーティングを開催し,両方の専門医が率直な意見を出し合う場として活用している.
本稿のテーマは循環器専門医と糖尿病専門医の連携であるが,実際に示すデータを持ち合わせているわけではない.そこで,本ミーティングの討議内容を中心に,両方の学会専門医を有する立場から私見を交えて述べさせていただきたい.
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