Japanese
English
特集 肺の再生医療―現状と展望
EPCによる肺高血圧の治療
Endothelial Progenitor Cells(EPCs) for Pulmonary Hypertension
高橋 充
1
,
加藤 治文
1
,
中村 達雄
2
,
清水 慶彦
2
Mitsuru Takahashi
1
,
Harubumi Kato
1
,
Tatsuo Nakamura
2
,
Yasuhiko Shimizu
2
1東京医科大学外科第1講座
2京都大学再生医科学研究所臓器再建応用分野
pp.159-165
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100021
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
原発性肺高血圧症(PPH)は難治性で予後不良の疾患である.さらに唯一の根治療法で究極的な組織再構築法である肺移植も,解剖学的特徴による易感染性や高い抗原性により他臓器と比較して困難であり,PPHに対して新たな治療法の開発が期待される.
正常肺組織の再生は様々なアプローチで試行錯誤されているが,他臓器と比較して非常に遅れている.その理由として,組織再生の3原則,すなわち①細胞,②増殖因子,③足場(scafford)に分けて説明すると,肺は①気管上皮,肺胞上皮,血管内皮など多岐にわたる細胞を有し分化誘導が困難なこと,②様々な成長因子が関与している可能性があり調整が困難なこと,③乏しい細胞外器質と高いコンプライアンスにより人工材料での作成が困難なことが挙げられる.そこでわれわれは,正常肺組織の再生ではなく組織工学的に肺組織の部分的機能を修復し肺機能を再生させるアプローチができないかと考えた.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.