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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
病理
Ki-67
Ki-67
新井 冨生
1
1東京都健康長寿医療センター病理診断科
pp.717
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202874
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Ki-67は白血病患者の自己抗体から認識された蛋白質で,増殖を示す細胞の核小体および核分裂期の染色体上に発現する.抗Ki-67抗体は当初リンパ腫培養株の核分画を抗原として開発された1).MIB-1は抗Ki-67抗体のクローンの一つとして最も一般的に用いられており,Ki-67標識率と同義でMIB-1 indexという名称も用いられている.Ki-67の名称はKiel-67の略であるが,現在はKi-67(またはMKI67)が蛋白質名として登録されている.Ki-67は10番染色体長腕に存在するMKI67遺伝子にコードされる.
Ki-67は細胞周期に関連する分子の一つで,休止期(G0)を除くすべての周期(G1,S,G2,M)にある細胞の核に発現するため,細胞増殖マーカーとして利用されている.細胞内のKi-67量は細胞分裂G1期後期から発現量に変化が現れ,S期に急速に増加し,M期で最大となる.Ki-67標識率は腫瘍の悪性度や予後とよく相関し,細胞増殖マーカーとして非常に有用である2).
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