Japanese
English
増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
疾患
下部消化管
血管性病変
vascular lesions in the colon
矢野 智則
1
1自治医科大学内科学講座消化器内科学部門
キーワード:
angioectasia
,
均質で境界明瞭な円形斑
,
境界不明瞭な滲み斑
,
Dieulafoy's lesion
,
微小な粘膜欠損から大出血
,
arteriovenous malformation
,
漿膜までの全層に及ぶ拡張・肥厚した動脈と静脈
Keyword:
angioectasia
,
均質で境界明瞭な円形斑
,
境界不明瞭な滲み斑
,
Dieulafoy's lesion
,
微小な粘膜欠損から大出血
,
arteriovenous malformation
,
漿膜までの全層に及ぶ拡張・肥厚した動脈と静脈
pp.649
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202828
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消化管の血管性病変に対する用語は,医学や検査技術の進歩とともに,さまざまな用語が使われてきたが,あいまいな定義で使われている場合も多く,混乱しやすい.広義の血管性病変は,血管腫や血管肉腫などの腫瘍性病変なども含まれるが,臨床現場で多く扱う血管性病変は病理組織学的に,①静脈・毛細血管の特徴を持つ病変,②動脈の特徴を持つ病変,③動脈と静脈の特徴を持つ病変,の3種類である1).
静脈・毛細血管の特徴を持つ病変は,粘膜下層の正常静脈と,その上層の粘膜固有層の毛細血管の拡張から成る数mm大の微細な限局性血管性病変で,angioectasiaと呼ばれている.拡張した血管が多数放射状に存在し,血管の集簇度が高いと均質で境界明瞭な円形斑(Fig.1)となり,疎な場合は境界不明瞭な滲み斑(Fig.2)となる2).他に,angiodysplasiaと呼ばれることもあるが,angiodysplasiaは血管性病変の総称として用いられている場合もある.世界消化器内視鏡学会(World Endoscopy Organization ; WEO)のMinimal Standard Terminology 3.0に基づいた日本消化器内視鏡学会の「消化器内視鏡用語集 第4版」3)では,angioectasia(英国英語)とangiectasia(米国英語)が採用されている.
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