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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
疾患
下部消化管
直腸粘膜脱症候群
mucosal prolapse syndrome of the rectum
佐野村 誠
1
,
沼 圭次朗
2
1北摂総合病院消化器内科
2大阪医科薬科大学第2内科
キーワード:
平坦型
,
隆起型
,
潰瘍型
Keyword:
平坦型
,
隆起型
,
潰瘍型
pp.646
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202825
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直腸粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome of the rectum ; MPS)は,繰り返す直腸の粘膜脱により形成される疾患の総称である.排便時の出血,残便感,肛門痛などの症状を示し,背景に排便習慣異常がある.長時間にわたる排便時の過度ないきみにより,直腸粘膜や直腸壁の脱出が起き,慢性的な機械的刺激や虚血性変化,過形成性変化により,主に直腸前壁に隆起や潰瘍を形成する.病理組織学的には,線維筋症(fibromuscular obliteration)と呼ばれる粘膜固有層の線維筋組織の増生が特徴的である(Fig.1).
名称の定義や呼称には変遷と混乱があり,非腫瘍性慢性直腸潰瘍,孤立性直腸潰瘍,孤立性直腸潰瘍症候群(solitary rectal ulcer syndrome ; SRUS)などと報告されていたが,1983年にdu Boulayら1)はSRUSと直腸粘膜脱は本質的に同じであるとし,直腸粘膜脱症候群と呼称することを提唱した.
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