Japanese
English
今月の主題 直腸のいわゆる粘膜脱症候群
主題症例
直腸の粘膜脱症候群の3例
Case Reports of Mucosal Prolapse Syndrome of the Rectum
斉藤 裕輔
1
,
岡村 毅與志
1
,
北守 茂
1
,
横田 欽一
1
,
小原 剛
1
,
柴田 好
1
,
並木 正義
1
Yusuke Saitoh
1
1旭川医科大学第3内科
キーワード:
直腸粘膜脱症候群
Keyword:
直腸粘膜脱症候群
pp.1347-1352
発行日 1990年11月25日
Published Date 1990/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111585
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要旨 直腸の粘膜脱症候群(MPS)の潰瘍型2例,癌の併存をみた隆起型1例を報告した.潰瘍型の2例は共に排便時にstrainingの習慣があり,潰瘍性大腸炎として治療されていた.隆起型では排便習慣の異常はみられなかった.潰瘍型,隆起型いずれも病変は直腸下部前壁を中心に存在していた.EUSで潰瘍型は粘膜下層に及ぶ潰瘍エコーと粘膜下層内のmicrocystic lesionの所見を認めたが,隆起型MPSでは通常のポリープと同様の所見であった.また隆起型の例ではMPSと粘膜内癌の併存を認めた.日常診療において,常にMPSを念頭に置き,排便習慣についてよく聞きただすこと,また画像診断で病変が直腸前壁を中心に存在することが確かめられればMPSの診断に役立つと考える.
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