Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
悪性リンパ腫には節性リンパ腫と節外性リンパ腫があり,節外性リンパ腫はB細胞リンパ腫とNK/T細胞リンパ腫に大別される.節外性リンパ腫の30〜40%は消化管に発生し,胃に最も多くみられ,次いで小腸,大腸の順である.腸管リンパ腫は多発することが多く,癌と比べ伸展性が保たれる傾向がある.病変境界部はなだらかでoverhanging edgeを認めず,潰瘍周囲の耳介様周堤が特徴的である.国際的に確立された肉眼分類はないが,筆者らは①隆起型,②潰瘍型(狭窄型,非狭窄型,動脈瘤型),③ MLP(multiple lymphomatous polyposis)型,④びまん型,⑤混合型,の5型に分類している1).
確定診断には病理組織学的検査,特に免疫組織化学染色が必須であり,FISH法(fluorescence in situ hybridization)による染色体転座の検査も有用である.組織型分類は2017年のWHO分類改訂第4版2)に従う.腸管リンパ腫では,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma ; DLBCL)が最も多く,胃では頻度の低い濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma ; FL)が約1/4を占める.MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫やNK/T細胞リンパ腫も比較的多く,マントル細胞リンパ腫やBurkittリンパ腫もみられる.MALTリンパ腫の特殊型である免疫増殖性小腸病(immunoproliferative small intestinal disease ; IPSID)も存在する.腸症関連T細胞リンパ腫(enteropathy-associated T-cell lymphoma)は,セリアック病に合併するもの(従来のI型)に限定され,従来のII型は単形性上皮向性腸管T細胞リンパ腫(monomorphic epitheliotropic intestinal T-cell lymphoma ; MEITL,Fig.1)と改称された.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.