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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
検査法・手技
胃
拡大観察(倍率と分解能,観察法)
magnifying endoscopy for the stomach
八尾 建史
1
1福岡大学筑紫病院内視鏡部
pp.504-505
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202716
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倍率とmagnifying ratio分解能(resolution)
内視鏡先端に固体撮像素子を装着し,得られた電気信号の画像処理を行いモニターに表示する電子内視鏡の時代になったため,拡大内視鏡の倍率と分解能について内視鏡医も知っておく必要がある.拡大倍率については,絶対的な拡大倍率という概念は存在せず,あくまで相対的な指標である.具体的には,“10mmの対象病変が,内視鏡システムのモニター上に100mmの大きさに表示されると,拡大倍率は10倍である”と表現される(Fig.1)1).モニターのサイズが倍になると拡大倍率は20倍になる.
したがって,拡大倍率は科学的には再現性に乏しい指標であるので,拡大内視鏡によりどれくらい小さいものが観察できるかを表現するには,分解能を用いることが適切である.分解能の定義は,“一定の距離でどれだけ小さい対象が明瞭に観察できるか”である.また,最大分解能の定義は,“内視鏡の最大の光学的拡大倍率を用い,焦点が合うぎりぎりに近接したときに観察できる最小の大きさ”である.
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