増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔胃〕
耳介様周堤(リンパ腫)(auriculate ulcer mound)
中村 昌太郎
1
,
松本 主之
1
1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野
キーワード:
決潰型
,
腫瘤形成型
Keyword:
決潰型
,
腫瘤形成型
pp.599
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200949
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定義
潰瘍形成を伴う消化管腫瘍において,潰瘍辺縁に認める不整所見のない健常粘膜に覆われた幅の狭い隆起部分を耳介様周堤と呼称している.その形状が耳介の耳輪に類似していることに由来する.
一般に,耳介様周堤は分化型癌ではみられず,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma ; DLBCL)などの高悪性度リンパ腫に特徴的な所見とされている(Fig. 1 1)〜3).しかし,低分化腺癌やリンパ球浸潤胃癌を含む未分化型癌でも,しばしば耳介様周堤を呈するので注意が必要である.このほか,腸管Behçet病または単純性潰瘍,サイトメガロウイルス感染性腸炎などでみられる打ち抜き様潰瘍でも,同様の周堤が観察されることがあるが,耳介様周堤の名称は,通常は腫瘍性病変に限定して使用される.
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