特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
カラーボタン様潰瘍(collar-button ulcer)
飯田 三雄
1
1川崎医科大学内科 消化器Ⅱ
pp.336
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104008
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潰瘍性大腸炎の活動期にみられる下掘れ状の潰瘍が,注腸造影で側面ニッシェとして描出された場合に広く使用されている用語である.したがって,二重造影像よりも充満像のほうが描出されやすい.側面ニッシェの起始部は狭く,頂部のほうが幅広いという特徴を有する(Fig. 1).組織学的には潰瘍の深さはUl-Ⅱであり,粘膜筋板を破った潰瘍性変化が粘膜下層で水平方向に進展するため下掘れ状となる1).
カラーボタン様潰瘍は潰瘍性大腸炎にpathognomonicな所見ではない.腸型Behçet病,Crohn病,感染性大腸炎(結核,サルモネラ腸炎,細菌性赤痢,アメーバ赤痢)など他の炎症性大腸疾患でも,下掘れ傾向の潰瘍が側面像としてX線上描出されればこの用語は使われる.その際,潰瘍の配列は疾患によって若干異なる.すなわち,潰瘍性大腸炎では両側性かつ対称性に分布するのに対し,Crohn病や腸型Behçet病では非対称性の配列を示す(Fig. 2).
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