Japanese
English
今月の主題 食道胃接合部腺癌
序説
食道胃接合部腺癌とは
Introduction
九嶋 亮治
1
Ryoji Kushima
1
1滋賀医科大学臨床検査医学講座(附属病院病理診断科)
キーワード:
EGJ
,
SCJ
,
西の分類
,
Siewert分類
,
TNM分類
Keyword:
EGJ
,
SCJ
,
西の分類
,
Siewert分類
,
TNM分類
pp.1105-1107
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200379
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はじめに
食道胃接合部(esophagogastric junction ; EGJ)を挟んだ領域に発生する癌を食道胃接合部癌(carcinoma at the esophagogastric junction)という.EGJならびに食道胃接合部癌の定義にはいくつかの種類があり,診断も容易でないことが多い.Helicobacter pylori(H. pylori)の感染率が低い欧米では従来Barrett腺癌〜食道胃接合部癌の頻度が極めて高いが,本邦でもH. pylori陰性時代を迎え,徐々にではあるが増加傾向にある1).
本号ではこの領域に発生する腺癌を取り扱うが,組織発生論的には,食道噴門腺,胃噴門腺,Barrett上皮と食道腺がその発生母地になりうる.診断方法や内視鏡切除における根治性の基準(SM浸潤距離など),またリンパ節転移様式,頻度,郭清範囲など,いまだ十分なコンセンサスは得られていない.詳細は各分野のエキスパートによる主題をお読みいただきたいが,序説では初学者あるいは病理に馴染みの薄い先生方が食道胃接合部腺癌を理解するためのポイントと問題点を病理医の立場から紹介したい.
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