Japanese
English
今月の主題 消化管内分泌細胞腫瘍の診断と治療―WHO分類との対比
序説
消化管内分泌細胞腫瘍の概念と分類―その歴史的変遷
Introduction
下田 忠和
1
Tadakazu Shimoda
1
1国立がん研究センターがん対策情報センター
キーワード:
神経内分泌腫瘍
,
神経内分泌癌
,
内分泌細胞腫瘍
,
カルチノイド
,
内分泌細胞癌
Keyword:
神経内分泌腫瘍
,
神経内分泌癌
,
内分泌細胞腫瘍
,
カルチノイド
,
内分泌細胞癌
pp.937-940
発行日 2013年6月25日
Published Date 2013/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113851
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
初期の概念
内分泌細胞性腫瘍は,1888年にLubarsch1)によって,消化管の癌に類した良性腫瘍として報告され,その後Oberndorfer2)により本腫瘍は組織学的には異型の低い,特徴的な細胞配列を示す腫瘍で,発育は緩徐で転移の少ない予後良好の腫瘍として,カルチノイド腫瘍と命名した.その後Pearsonら3)が本腫瘍の中には転移を来すものが少なからずあると報告し(42例中16例,38%),それ以来悪性腫瘍として認識されるようになった.
本腫瘍は銀親和性を示すことから,内分泌細胞性格を有しKultzchutzky細胞由来と想定され4),さらにセロトニンないしはヒスタミンを産生し,カルチノイド症候群を呈することも明らかにされてきた5).また電子顕微鏡で腫瘍細胞内に神経分泌顆粒(neurosecretory granule)を有していることも報告された6).
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.