胃と腸 図譜
十二指腸follicular lymphoma
斉藤 裕輔
1
,
垂石 正樹
1
,
小澤 賢一郎
1
,
杉山 隆治
1
,
中嶋 駿介
1
,
富永 素矢
2
,
藤谷 幹浩
2
1市立旭川病院消化器病センター
2旭川医科大学消化器・血液腫瘍制御内科学分野
pp.272-276
発行日 2012年2月25日
Published Date 2012/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113106
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1 概念,病態
消化管原発悪性リンパ腫の80~90%はMALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫,びまん性大細胞B細胞性リンパ腫である.一方,消化管濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma ; FL)は低悪性度リンパ腫に分類され,1~3%程度と比較的まれであり1),好発部位はVater乳頭近傍の十二指腸下行脚,および小腸とされている.FLとともにMALTリンパ腫も十二指腸に好発するが,MALTリンパ腫は球部に好発する傾向がある.本疾患の特徴として,(1) 十二指腸に病変が存在することが多く,早期の病変にみえてもリンパ節へ浸潤している頻度が高い,(2) 多発病変の頻度が高く,空腸や回腸にも病変が存在することが多い.
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