胃と腸ノート
右側結腸はもちろんコロノスコピーの盲点である
長廻 紘
1
1東京女子医科大学消化器内科
pp.786
発行日 1987年7月25日
Published Date 1987/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112934
- 有料閲覧
- 文献概要
右側結腸(横行結腸~盲腸)において診断される腫瘍性病変は小さな腺腫,進行癌が多く,大きな腺腫や早期癌は少ない(「胃と腸」22巻4号p442).腺腫は大きく育たず,早期癌は最初から癌として発生すると推測される.進行癌があるのだから早期癌もそれに劣らずあるのは間違いない.診断されるものが少ないことになる.
右側結腸における早期癌は進行癌に早く進展する(時間の問題),形態学的に発見の難しいものが多い(形の問題),具体的に言うと有茎性ポリープではなく広基性やnonpolypoid(扁平,平坦,陥凹型)の割合が多いことが想像されるし,事実そうである.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.