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書評「プラクティカル コロノスコピー―挿入手技から治療まで」
武藤 徹一郎
1
1東京大学教授・第1外科
pp.1576
発行日 1995年11月25日
Published Date 1995/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105597
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わが国における大腸疾患の増加は著しいスピードで進んでおり,減速の兆しはない.その予防もさることながら,各種疾患の早期診断・早期治療がますます重要になってきた.周知のごとく,大腸疾患の診断法には注腸造影検査と大腸内視鏡検査があるが,従来は注腸→内視鏡の順序で検査が行われてきた.しかし,検査件数の著しい増加に伴い,より効果的な検査システムを確立することが必要になってきた.すなわち,注腸造影検査で異常があれば再度内視鏡検査を行うという二重検査のむだを省いて,最初から大腸内視鏡検査を行うという方法である.その実現のためには,安全かつ確実に盲腸まで挿入する技術を持った内視鏡医の養成が急務であることは言うまでもない.著者岡本平次氏は早くからその必要性を説き,自らそれを実証してきた,わが国におけるコロノスコピストのパイオニアとしてつとに有名である.本書は著者自らの経験を通じて,1人でも多くの大腸内視鏡検査のエキスパートを育て,社会のニーズに応えようという情熱から生まれた好著である.
著者は大腸内視鏡1本で開業し活躍していることでも話題の人であり,これが可能なのも盲腸までの到達時間3分10秒,到達率99.8%という著者のハイテクに負うところが第一であるが,最近の検査の需要の増加にも関与していると思われる.
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