学会印象記
第19回日本消化器内視鏡学会印象記
榊 信広
1
,
竹本 忠良
1
1山口大学第1内科
pp.1113-1114
発行日 1977年8月25日
Published Date 1977/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112604
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第19回日本消化器内視鏡学会総会は5月9日より11日まで東京虎ノ門の国立教育会館で日本大学第3内科本田利男教授の会長のもとでおこなわれた.
好天にめぐまれた第1日は,3会場同時に胃,十二指腸,大腸のセクションが開始された.胃癌のセクションでは,臨床診断能の向上という日常的な問題点から始まり,色素内視鏡検査,胃癌の進展形式と続き,その後は内視鏡学の分野からも胃癌との関係で最近内視鏡医にも非常な興味がもたれはじめている腸上皮化生がとりあげられた.PNNG犬胃癌実験中に発生した腸上皮化生と思われる粘膜変化,耐熱性アルカリフォスファターゼの問題など,従来いわれている両者のむすびつきがより明確になった.同時に第2会場では,十二指腸潰瘍の内視鏡診断に諸問題が集中し,翌日のシンポジウムに期待をもたせたよい前哨戦であった.第2会場同様,あまりにも狭くて超々満員の盛況であった第3会場では,大腸に関する発表がなされた.とくに目新しいものはなかったが,大腸内視鏡検査も上部消化管同様に,色素や拡大内視鏡が導入され,それらの基礎的な研究とくに機能的検査等の新しいアプローチにたいへん興味をもった.また炎症性疾患に対する発表が多かったのも今総会の特徴であったといえよう.
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