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編集後記
常岡 健二
pp.974
発行日 1975年7月25日
Published Date 1975/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112431
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本号は,消化管の非上皮性腫瘍をとりあげ,主題として臨床と病理の2つにしぼり,これに関係した症例報告を加えることにした.臨床面からは,かねてよりこの方面に関する業績の多い信田教授に各腫瘍の頻度,臨床的事項等の綜説をお願いした.従来よりよくつかわれている粘膜下腫瘍と非上皮性腫瘍との関係,語義のみならず,臨床面でもこの両者を明確に区別したい主旨が述べられた.この種の文献としてPalmerのReviewが有名であるが,信田教授らのものは国内文献として今後大変役立つものと考えられる.また病理面からは,下田・佐野博士らに非上皮性良性・悪性腫瘍の病理の解説,ことに自験例のうちから,最近免疫学的に注目されている形質細胞腫,とりわけ消化管細胞浸潤を主体としたIg-G増加のheavy chain病の最初の例と思われるものの発表と,併せてIg-Aのheavy chain病にも触れていただいた.悪性リンパ腫ないし類似病変の免疫学的研究は今後の課題の一つであり,大変興味深い.主題担当の先生方の御努力に感謝します.
また症例報告は,主として胃に関するものであるが,診断学的にも,病理学的にも,それぞれ貴重なもので,教えられるところが多い.
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