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編集後記
常岡 健二
pp.1441
発行日 1970年10月25日
Published Date 1970/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111289
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前号に引続いて,「胃を除く消化器の早期癌」の第2部として「大腸の早期癌」
を主題に綜説と座談会をお願いした.山田,丸山,北条,田島博士の御努力のお蔭で大腸についても早期癌の発見の可能性が十分あること,また早期胃癌と大体同じレベルで大腸の早期癌も話しができそうなことが分って,これらの企画の有意義であったことを喜んでいる次第です.つぎの問題としては,大腸早期癌発見のための諸検査の進歩と普及,さらには早期胃癌の研究におけるごとく,多くの材料の集積と検討をもつことでありましょう.これによって,carcinoma in situを含めてポリープの癌化と早期大腸癌の主体をなすポリープ状癌との関連等についても,明確な病理学的見解を提出して貰いたい.
研究・症例には迷入膵に関するものが2題,長与博士の迷入膵の病理組織と発癌の前癌(駆)病変としての意義,広瀬博士のこれがⅡc型早期胃癌の発生に関与したと考えられる症例など,今後迷入膵の診断が増加するであろうと思われる時期において,大変参考になる報告であった.また鹿岳博士のPolypoid cancerの四重複例も珍しい.
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