--------------------
編集後記
常岡 健二
pp.391
発行日 1974年3月25日
Published Date 1974/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111788
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
本号の特集として,内視鏡的ポリペクトミーがとりあげられた.ポリペクトミーの対象としてはスコープの到達する所ならばどこでも可能になったが,主対象は胃と大腸になる.もともと,直腸やS状結腸下部のポリープに対しては従来の直達鏡を用いて切除ないし焼灼法が行なわれていたことであり,いまさらこれを胃や深部大腸に応用できるようになったとしても別に驚くにあたらない.むしろファイバースコープという有力な武器が与えられた恩恵を感謝する気持で一杯である.
さて,ポリープを切除することの可否について,これが安全な方法で行なわれ,しかも患者の苦痛や負担が軽くてすむならば,むしろ積極的な方法として選ばれて然るべきであろう.従来のポリープの前癌変化としての意義が小さくなった今日,敢えて開腹手術を行なうことには躊躇するにしても,内視鏡的ポリペクトミーには抵抗は余りないものと思われる.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.