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編集後記
常岡 健二
pp.1471
発行日 1967年11月25日
Published Date 1967/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110466
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10月6,7日には和歌山市で楠井教授会長のもとに日本消化器病学会・日本内視鏡学会・日本胃集団検診学会の合同秋季大会が催された.今回は会長の学会のあり方に対する日頃の考えが率直に示され,大変好感がもたれたようである.全部シンポジウム様式が採用され,主題は5つ,その中に「慢性胃炎の問題点」が22の報告によって種々討論された.胃炎像のX線的・内視鏡的解釈,新しい方法(偏光カメラ,立体顕微鏡)を使っての検討,そして診断の限界,生検,病理組織像との対比の他,成因に関する自律神経,免疫,貧血の役割なども発表された.慢性胃炎の研究は癌,潰瘍に較べると,地味ではあるが,着々と発展しつつあるのは喜ばしい次第である.
本号は前回につづいて慢性胃炎のレ線診断,胃癌との関連性,外科療法,術後胃炎,心身医学的観察など,夫々の権威者によって解説していただいた.なかでも並木正義博士の心身医学的立場から,いわゆる慢性胃炎患者をいかに取扱うべきか,全くお説の通り,共鳴するところが多い.
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