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書評「SMON」
椿 忠雄
1
1新潟大学神経内科
pp.217
発行日 1975年2月25日
Published Date 1975/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112161
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高崎教授が「腹部症状を伴う脳脊群炎症」の書名で,現在SMONと呼ばれている病気の全貌を紹介されたのは昭和42年のことであった.今回「SMON」が同教授と金丸助教授の共著で出版されたが,これは前書をその後の研究の進歩に伴って大幅に改訂したものである.
前書がすでに,本症の歴史から当時における最新の知識を網羅した名著であった.しかし,本症の研究はその後急速な進歩をしているので,わたくしは高崎教授が改訂版を出されることを心から希んでいたので,今般本書が出版されたことを心から喜んでいる.内容も期待どおりであり,その後明らかになった事実を広く収録しており,すっかり装を新にしている.前書と同じく,歴史,病理,病因,疫学,症候,診断ならびに鑑別診断,経過ならびに予後,治療という項目で,すべてが解説されている.研究の進歩に伴い,内容が大幅に改訂されたため,著者は改訂版とせず,書名も改められた由であるが,前書と比較すればそれはよく理解できるところである.
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