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編集後記
白壁 彦夫
pp.615
発行日 1966年9月25日
Published Date 1966/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112081
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数年前の雑誌に,次のようなことを書いたことがある.職場の胃集団検診を行なうと,はじめの年には癌が思うように見つかるだろう,しかし,だんだん胃潰瘍患者の健康管理ということになるのではないかと.そんなに潰瘍性胃は多いものである.最近は,ひどい潰瘍は減ってきた.ところが,今まではわからなかった小潰瘍や瘢痕の診断が進み,ひろい上げられるようになると,頻度としては少しも減らないようである.こと胃潰瘍にかんしては,くりかえし,くりかえし論じてもあきない.それだけ時点により考察面に新味がでてくるし,旧態の論との融合が面白い.診断,治療について,諸先生の論旨をかみしめ,自分の胸の中で経験例と照し合わせるのは楽しみである.何歳頃,胃潰瘍が,胃にはじめて生ずることが多いのだろうか,なぜ胃潰瘍は減らないのだろうか,難治性潰瘍というものの現時点での定義は,村上分類Ul Ⅱは粘膜集中像を作らないのか,などなど自分勝手な夢をみているところである.
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