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編集後記
並木 正義
pp.1074
発行日 1974年8月25日
Published Date 1974/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111941
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主題として胃潰瘍の最近の問題点をとりあげたが,その内容は古くして新しい問題といえよう.特に潰瘍の宿命ともいうべき再発の問題が最大の論点となっているが,結局のところ,今日なお再発を防ぎうる的確な方法はない.いかに薬を飲んでいても,またいかなる方法をもってしても,再発するものは再発する.このへんに胃潰瘍経過の複雑さと微妙さがある.
本号では,胃潰瘍の再発因子に関する細かい吟味と,その対策,さらに多くの経験例を基にした内科的および外科的治療のあり方と問題点が示されている.一方,小児においても,また老人においても,近年,胃潰瘍が増加しており,それらの発症や経過に,最近の複雑な社会環境的因子,さらにそれに伴う精神的ストレスがかなり密接に関連している点などが指摘されている.
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