印象記
チリー消化器病学会「胃癌会議」に出席して
高木 国夫
1
1癌研究会附属病院外科
pp.473-474
発行日 1971年4月25日
Published Date 1971/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111565
- 有料閲覧
- 文献概要
1966年「第3回世界消化器学会」が日本で開かれ,わが国の胃診断学が世界的にクローズアップされた.また,日本の胃診断学を世界的に拡げるために,早期胃癌研究会100回記念事業として発案され,海外技術協力事業国(OTCA)が主催し,早期胃癌検診協会が実務を担当して,「第1回海外医師早期胃癌診断講習会」が1969年3月に開かれた.この会に,東南アジアを主とした医師と共に,遠く南米チリーからも1名参加した.1970年の第2回の会にも,チリーから2名の医師が参加し,日本の早期胃癌診断の実状がチリー国内に知られるようになった.かかる最近の事情にもとついて,チリー消化器病学会が主催による「胃癌会議」が,4月20日から4月25日までの1週間,チリーの首都Santiagoと港で有名なValparaisoで開かれた.私はチリー消化器病学会の招請により昭和45年4月16目から4月30日までの2週間にわたり,チリー消化器病学会主催「胃癌会議」に出席して,チリーの胃癌の診断,治療についてチリーの医師と懇談した.以下簡単に,スケジュールとチリーの胃癌についての感想をのべてみたい.
右表のスケジュールでチリーの中心的病院を5個所視察して,早期胃癌について講演し,持参した生検用ファイバースコープで胃生検を行なった.各病院をまわり,胃癌会議に出席したが,チリーの胃癌の頻度が高く,日本における胃癌頻度と同様で,瀬木教授の世界ガン統計に認められている.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.