海外だより
チリーの胃癌について
高木 國夫
1
1癌研病院外科
pp.1708-1710
発行日 1970年11月10日
Published Date 1970/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203409
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1966年に「第3回世界消化器病学会」および「第1回世界内視鏡学会」が日本で開かれて,わが国の胃診断学が世界的にクローズアップされた.日本における胃診断学を世界的に広げるために,早期胃癌研究会の100回記念事業として発案され,海外技術協力事業団(OTCA)が主催し,早期胃癌検診協会が実務を担当して,「第1回海外医師早期胃癌診断講習会」が1969年3月に開かれた1).この講習会に東南アジアを主とした医師とともに,遠く南米チリーからも1名参加した.1970年の第2回講習会にも,チリーから2名の医師が参加した.また1969年に「国際放射線学会」が同じく日本で開かれ,チリーから来日した医師が胃のX線診断学を学び,日本における胃の診断学,とくに早期胃癌の診断の実情がチリーに知られるようになった.かかる最近の事情にもとづいて,チリー消化器病学会が主催して「胃癌会議」が1970年4月20日から25日にかけて,チリーの首都Santiagoと港で有名なValparaiso(Santiagoから180km離れた)で開かれた.私は,チリー消化器病学会の招請により,1970年4月16日から4月30日までの2週間にわたり,チリー消化器病学会主催「胃癌会議」に出席し,チリーにおける胃癌の診断・治療についてチリーの医師と懇談した.
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