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初心者講座 胃X線検査のポイント―私の検査法
9.ルーチンX線検査の盲点と対策
Radiological Examination of the Stomach: My Routine Practice
杉野 吉則
1
Yoshinori Sugino
1
1慶応義塾大学放射線診断部
pp.1122-1123
発行日 1990年9月25日
Published Date 1990/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111430
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- Abstract 文献概要
ルーチン検査の盲点として,胃前壁,胃上部,幽門部(特に幽門前部)の3つの部位が挙げられる.
1.胃前壁
(1)200mlの造影剤を飲ませ,500~600mlの空気を注入する.立位充盈像および半臥位で腹臥位充盈像を撮影したあと,腹の下に小さくて平らな布団を入れる.布団の下縁を臍のあたりに置く.そのあと,軽い半臥位で,強い腹臥位第2斜位(左前方位)にする.多量の空気が幽門部に入ってくるのを確認したら,そのまま逆傾斜させる.幽門から胃体下部にかけて,胃の前壁が二重造影像として現れたら,逆傾斜させるのを止め,できるだけ正面位に近づけて,幽門部前壁の二重造影像(Fig. 1)を撮る.そのときの逆傾斜の程度は30~45度である.Fig. 1の症例はⅡc,分化型のm癌である.
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