今月の主題 胃・十二指腸潰瘍—その基礎と臨床のすべて
胃・十二指腸潰瘍の診断
X線診断
熊倉 賢二
1
,
杉野 吉則
1
,
大久保 忠成
2
Kenji Kumakura
1
,
Yoshinori Sugino
1
,
Tadashige Ookubo
2
1慶応義塾大学医学部付属病院・放射線診断部
2東京都済生会中央病院・内科
pp.2726-2730
発行日 1983年12月10日
Published Date 1983/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218811
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胃潰瘍をX線診断する立場に2つある.1つは個々の潰瘍を的確に発見し,質的診断(性状診断)をしようとする立場である.これはReiche(1909)やHaudek(1910)以来,胃潰瘍のX線診断の主流をなすものである.もう1つは,ニッシェが認められにくいのに変形が著明な線状潰瘍や多発性潰瘍にあてはまることであるが,胃の変形によって潰瘍の存在および存在部位を推定しようとする立場である.変形が強いものほど潰瘍の既往歴が長い.この2つの立場から胃潰瘍を検討することによって,X線診断は一層確実になる.十二指腸潰瘍でも同じことがいえる.
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