話題
肝癌とαfグロブリン(その1)αfによる肝癌診断
平井 秀松
1
1北海道大学医学部第1生化学教室
pp.54
発行日 1971年1月25日
Published Date 1971/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111393
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胎児血清中には成人血清中には証明されない胎児性α-グロブリンが存在する.αf-グロブリン,α-フェトプロテインなどと呼称する.
成人にはみられぬこの蛋白は,しかし肝癌の発生と共に再び現われる.したがって血中にこれを証明することにより肝癌の診断が可能である.証明は目下のところ専らαfに対する抗血清との問の沈降反応,補体結合反応,その他の免疫反応に頼っている.沈降反応の場合,私らの研究では1mg/dlがその証明の下限界である.
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