技術解説
隆起性早期胃癌の生検
上野 恒太郎
1
1東北大学医学部山形内科
pp.91-94
発行日 1971年1月25日
Published Date 1971/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111438
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1.どのような隆起型を生検の対象とするか
胃の隆起性病変を見つけ出すことは,現在の胃内視鏡または胃レ線検査にとって難しいことではない.しかし癌かどうかの質的診断,ことに隆起型早期胃癌の診断は内視鏡診断のみでは難しいことがある.
直視下胃生検を行なった305個の胃隆起性病変について,その形態的特徴と生検組織診断との関係をみると,癌は,Ⅱ型(山田の隆起型分類)で蒼白色調を呈する群とⅣ型で赤色調を呈する群とにとくに多い傾向がみられる(表1).
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