--------------------
編集後記
川井 啓市
pp.539
発行日 1969年4月25日
Published Date 1969/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111034
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
いよいよ恒例の学会シーズンに入りますが,あちこちの大学で学園ストが相次ぎ,一部学会の演題にも欠演のありそうな慌しい毎日です.今までの大学の抱えていた矛盾を考えれば,当然の事態が起こってきた感なきにしもあらずですが,早急にこのような問題も解決されて,安心して研究できるよう努力したいと思います.それにしても「胃と腸」の分野では,もはや大学の一.一部の研究者のみによる研究ではなく,すでに開業しておられる先生方にも根をおろした,豊かな研究の土壌が次第にできてきているのを喜びたいと思います.
今月は「胃と腸」本来の目的の一つでもある小腸疾患の診断を特集としてとりあげました.何といっても病態生理の未解決な分野ですが,白壁先生のX線診断,増田先生の腸液,斉藤先生の腸紐,木原先生の小腸生検など,いずれもお得意の分野での豊富な文献的考擦と研究内容は,今後の研究のための貴重な方向づけとなりますし,将来の小腸学の一道標になると思います.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.