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編集後記
川井 啓市
pp.261
発行日 1968年2月25日
Published Date 1968/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110670
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本誌が発刊されてすでに3巻2号とは本当に早いものだと思います.早期胃癌研究会終了後開かれる編集会議は,毎回12時を過ぎ,「午前様」となるのが殆んどですが,時間も忘れて本誌の特徴を示す綜説のテーマや,編集内容に,村上教授を中心に熱心な討議がかわされます.
他の医学雑誌と比較して特色あることは編集員の数多いことで,常に第一線の読者の意見を反映するよう努力しています.しかしそれでなくとも「胃と腸」といったせまい領域のなかで,マンネリズムにならぬよう今回からは更に9名の編集協力者の積極的な意見を仰ぐことになり,単に同人雑誌の弊におち入ることなく,新鮮な,有益な話題を雑誌に反映させ,私達の手による,私達のための雑誌に育てて行きたいと思います.ところで本号は本邦で最近特に話題の中心になっている胃集団検診をとりあげました.胃集検もやっと単に学問的,研究的な興味としてのみでなく実用的な胃集検へと育って来ました.ここで発見される早期胃癌は早期胃癌診断学の進歩のために数多くの問題を提供してくれますし,更には胃潰瘍・胃ポリープ等の動態も解明されるでしょう.この方法こそが胃癌対策としての早期発見・早期手術を満足させてくれるものであり,一層の普及を願って止みません.この道で最も経験も古くかつ数多い山形教授の綜説,この分野で指導的役割を果している癌センター集検部の間接フィルム読影に関する基礎的検討,及び愛川博士による大阪地区での胃集検の実際,外来集検のあり方など,将来の展望も含め問題の核心が明らかにされています.更に市川氏の名司会による座談会が問題点を要約し錦上花をそえてくれます.
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