印象記
ソヴィエト医学界
多賀須 幸男
1
1国立がんセンター内科
pp.403-405
発行日 1969年3月25日
Published Date 1969/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110991
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私は去年の7月に3週間余りソ連を訪れました.極く限られた病院しか訪門できなかった上に,ロシア語が全然わかりませんので,編集部から求められましたソ連の医学などについて書くことは不可能です.葦の髄から覗いたソ連の消化器病とお考え下さって,読みながしていただければ幸いです.
旅行の目的は,日本の胃内視鏡検査を紹介することでした.モスクワ市の消化器病研究所と,レニングラード市のモスクワ地区第2病院で,検査の供覧と講義を,それぞれ2日ずつ行なったのですが,幸い40~50名の先生が出席して熱心に聴いて下され,盛んな質問もあって,まずまずの成功であったと思っています.戦後20年にわたる先輩諸先生の努力の結晶である日本の胃疾患診断学について話したわけですから,ソ連の専門家が感心されたのも当然のことと存じます.私にとっては,身に余る光栄で,非常に肩身の広い思いでした.同様なことをモスクワとレニングラードの癌研究所でも行ないました.
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