Japanese
English
動き
イタリア精神医学界の動向
Recent Aspects of Psychiatry in Italy
村田 忠良
1
Tadayoshi Murata
1
1札幌天使病院神経科
1Dept. of Psychiatry, Sapporo Tenshi Hospital
pp.473-479
発行日 1972年5月15日
Published Date 1972/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201896
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はじめに
私は昭和45年5月から1年間,イタリアのPadova大学注1)精神神経科に客員研究員として留学する機会を持てた。過去に大きな業績を持つイタリア精神医学が,最近どのような動きを示しているか,わが国で問題になっている医学教育制度の改革,病院精神医学(精神科医療のあり方)などがイタリアではどうなのかを親しく見聞し,交見したいというのが目的であった。私の希望は,Padova大学精神神経科主任Simone Rigotti教授の招きで実現されたが,私がPadova大学を選んだ理由は,大学そのものの歴史が古く,根強い伝統のあるところであり,精神神経科教室が神経学の研究で名声のあるところであり,そのような環境の中で精神医学がどのような位置を占め,どのような方向に歩みつつあるかを実見したいと考えたからである。
Padova滞在中Rigotti教室の医局員として勤務する外,イタリア各地の大学,精神病院の精神科医と文通交見するかたわら,二,三の精神病院を見学,あるいは診療,医局討論に参加し,精神神経薬物療法学会(Milano),社会精神医学会(Gorizia),カトリック医学会(主テーマ:心身障害児をめぐる諸問題,Padova)に出席した。
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