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書評「急病《人間の医学シリーズ8》」
島内 武文
1
1東北大病院管理学
pp.52
発行日 1969年1月25日
Published Date 1969/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110893
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かって大学の医局時代,病気になった先輩の診療所を助けにいったことがある.患者は多種多様で生まれたての新生児から,大切な顔にカルブンケルを出した妙齢の女性も来るということで,かけ出しの内科医として大分面くらったことであった.頭をしきりに左右にふっている幼児に往診して,てっきり結核性脳膜炎かと思ったところ,翌日にはケロリと治っていたのには全く自信をなくしたものである.
元来,実地医家は,あらゆる初期傷病を扱い,診断が難しいばかりでなく,その診療は傷病の予後に決定的な影響をもっている,したがってその仕事はなかなか難しいこととは覚悟していたものの,実際にあらゆる種類の患者について待ったなしの応接をしてみると,これは聞きしにまさる仕事であることを身にしみて感じたことであった.
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