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編集後記
春日井 達造
pp.1637
発行日 1968年11月25日
Published Date 1968/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110679
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本年は消化器関係の国際学会が多く,5月ブラジル・リオデジャネイロにおける第3回国際細胞会議をかわきりに,7月のチェッコスロバキヤ・プラハにおける第8回国際消化器病会議及び第1回ヨーロッパ内視鏡学会,9月のベルギーにおける癌発見シンポジウム,10月はオーストラリヤ・メルボルンにおける第3回アジア太平洋消化器病会議,東京及び京都における国際外科学会等誠に盛沢山で,「胃と腸」読者の多数がそれぞれ参加,多年の研究成果を発表し,我が国のこの方面の研究は高く評価され,その反響も大いにあったようで慶ばしいことである.特に早期胃癌の診断に関しては,X線,内視鏡,細胞診及び生検の全部門にわたって欧米をはるかに抜いて,文句なしにトップにある.しかしこの優位が今後どこまで維持出来るかは一に我々「胃と腸」読者の双肩に掛っていると云っても過言ではないと思う.尚一層の精進が望まれるわけである.
本号は多発胃癌をテーマとしてとりあげた.吉葉,久保,早川,副島各博士の綜説並びに常岡教授司会の座談会は本テーマに取組みあますところなく探究された.熟読玩味されたい.腸疾患をあつかった岡部博士らの研究はまたユニークな論文である.
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