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編集後記
春日井 達造
pp.1148
発行日 1978年8月25日
Published Date 1978/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107413
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本号は年1回の特別に主題をもうけない症例特集号となった.従来症例特集号となると,投稿採用論文が主であるため,さまざまな論文が並び,通読するのに努力を要したものである.
しかし,本号は微小早期胃癌や多発微小早期胃癌症例を中心に最近話題の胃,腸疾患を集録した.とくに微小胃癌症例は,直径10mm以下,たとえ5mm以下の微小病変であっても,今までのオーソドックスなX線,内視鏡の手法の忠実な実行によりピック・アップが可能であることを示す貴重な症例である.しかし,更に微小な肉眼視の限界を越える病変に対しては従来の診断体系にとらわれない新しい診断技術の開発が必須であろう.なお,今回は掲載14症例中10例が早期胃癌研究会発表例であることが注目される.本誌掲載症例は研究会の厳しいディスカッションを経てリファインされたものが読者に御目見得するのが本筋というべきであり,それが本誌の特色で,高いレベルを保ってきた理由でもある.この1~2年研究会において毎回6例を供覧検討してきたが,そのうちなるべく多くの症例を生かして掲載しようという本誌の編集方針が次第に実現してきたものと思う.
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