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桜の花が,まさに咲かんとする「みちのく」青森の地に,県内で,胃と腸殊に胃の診断学に積極的に関心のある医師達が集まり,第1回研究会の発足をしたのは,昭和39年4月下旬,春とはいえ,まだ肌寒い日でした.夫々に持ち寄った,生の胃レ線フィルムを提示し,それを討論し合い,時間のたつのも忘れる位でした.会員も当初は,一応のレベルにあると互いに認めあった二十数名の方々で,従って,普通のいわゆる学術講演会と違い,デスカッションがとても活発で,仲々楽しい雰囲気がつくられました.そうして,暗黙の中に次の約束事が成立しました.1)会員は余り増やさない.2)連続3回以上欠席したら,以後,例会の通知をしない.3)胃レ線は原則として生のフィルムとする.4)出来るだけ結論のでない空議論は避ける.5)二か月に一回開催する.このようにして,ともかくも手をつないで,ほそぼそと歩き出しました,第3回の例会に,白壁彦夫先生においで頂き,二重造影法及び早期胃癌のお話しをお聞きするに及んで,我々は更に大きな幅を持つ発端となりました.次いで山口博士,松永教授の御講演があり,かくして,漸く基礎は固まって来ました.以後は,例会の度に,我が国で最も権威のある一流の先生方の御来青を頂く事が出来まして,我々は,とても幸な道を歩む事が出来ました.東野教授(整形),青山博士,城戸博士,村上忠重教授,山田博士,野崎教授,市川博士,崎田博士,野辺地博士,熊倉博士,佐野博士,多賀須博士,五ノ井博士の諸先生方で,中には,2度も3度も御講演を頂いた先生方もございました.この間,会員も次第に増え,帰りの汽車のない遠方よりも集まり,昭和42年末,第22回例会時には,五十数名となり,内科,外科,病理と多彩です.毎年夏には,村上教授,白壁先生を囲んでの懇親会で,12月には松永教授を中心の忘年会での,平生ではお伺い出来ない色々のお話しを,お聞きするのも又楽しみの一つです.
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