技術解説
私のレントゲン検査
秋山 吉照
1
1姫路聖マリア病院 放射線科
pp.1455-1458
発行日 1967年11月25日
Published Date 1967/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110465
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Ⅰ.緒言
実際に早期胃癌をたくさん経験すると,誰もが痛感することであるが,ちょっとした手技の拙劣さで病変を捕捉できなかったり,苦心惨憺してやっと診断を決定できる写真をとれることがしばしばである.そのためにこそ,二度三度と検査が繰り返されることがある.しかし,問題は見えにくい透視映像における第一段階での見逃しである.
筆者は以前より,解像力の悪い螢光板での透視を先にして,その患者の胃の形態すら知らずに,予想もつかない病変に立ち向う従来の検査順序には大きな疑問を持っており,透視前に胃の概観撮影を行なうことがあらゆる点で有利と考えている.胃のX線検査が写真だけで良いというのではない.透視技術の難しさを真に理解し,そして助かる胃癌を対象とするなら,予めルーチン化した写真撮影を行ない,解像力の良いフィルムで見当をつけて,後日,透視を行なって精査する方が診断精度を高めることができると考えている.
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