今月の主題 十二指腸潰瘍〔1〕
症例
十二指腸球部良性腫瘍のX線診断―自験例2例と文献的考察
川井 啓一
1
,
井田 和徳
1
,
坂中 俊男
1
,
植松 寿樹
1
,
三崎 文夫
1
,
村上 健二
1
,
竹腰 隆男
2
,
郡 大裕
2
,
本間 敬一
2
1京都府立医科大学第三内科
2愛生会山科病院
pp.61-66
発行日 1967年1月25日
Published Date 1967/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110449
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Ⅰ.はじめに
十二指腸球部良性腫瘍は元来まれなものとされているが,われわれは最近X線所見から本症を疑い,胃切除により十二指腸球部腫瘤であることを確認した2例を経験した.そこで過去10年間の本邦における文献にみられたこれら十二指腸球部良性腫瘍のX線診断能を自験例を加え検討するとともに球部腫瘍の統計的観察を試みた.
なお,ここで文献的考察を行なった対象はX線的に良性腫瘍と診断されたもので,X線的に悪性又はこれを疑った症例は除外した.このため一見X線的に悪性腫瘍とみえながら良性腫瘍であった症例の検討を行っていないことになるが,われわれが文献を渉猟した限りでは良性腫瘍を明らかにX線的に悪性腫瘍としたものは見当らなかった.
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