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書評「COLONOSCOPY」
小林 世美
1
1愛知県がんセンター第1内科
pp.1390
発行日 1982年12月25日
Published Date 1982/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108666
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Dr. Shinyaがcolonoscopyの本を書く計画を持っていることを知ったのは,もう5~6年前のことだったと思う.医学書院からの電話で,Dr. Shinyaにっいて尋ねられたのは,ある朝の外来診察中であったことを今も覚えている.それから長い間,この本の出版を待ちこがれていたのは私だけではないと思う.今や名実共に世界一のcolonoscopistである彼について改めて紹介する必要はなかろう.私が彼に初めて会ったのは1969年,ワシントンのアメリカ消化器病学会のときで,彼がポリペクトミーを始める前のことだった.以後年に平均4,000件のcolonoscopyを行うとのことで,12年余りで約5万件を数えることになり,ポリペクトミーも既に1万例を大きく上回ったと聞いている.彼のテクニックに初めてお目にかかったのは,まだ最近のことで,1979年ニューヨークを訪れたときである.他人のテクニックをほとんど見たことのない私にとって,それはすばらしい体験であった.スコープを操る彼の両手の動きは,名曲を奏でる名ヴァイオリニストの動きに似ていた.天賦の才だけでなく,それにも増して彼の人並みならぬ努力が偲ばれた.アメリカで外国人が生き抜くためには,彼らを凌駕し,圧倒する強い精神力と逞しさ,それにたゆまぬ努力が必要である.Dr. Shinyaは,まさにその類の人である.
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