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Manometric disorders in patients with suspected sphincter of Oddi dysfuntion:Toouli J, Roberts-Tho-mson IC, et al (Gastroenterology 88:1243-1250, 1985)
胆嚢摘除後の持続性疹痛の原因として,Oddi氏筋の機能障害が指摘されている.この本態を解明するために,胆嚢摘除術の既往のある48名にOddi氏筋のマノメトリーを行った.胆膵系異常のない10名を対照とした.38名はOddi氏筋の機能障害を持つと考えられ激しい胆道痛を有し胆管拡張または一過性肝機能障害を伴っていた.3孔式,持続性注水型のマノメトリー装置を用いOddi氏筋の基礎圧,位相収縮圧,圧力波の周期,伝播方向,静脈投与したCCK-OP(cholecystokinin-octapeptide)に対する反応を記録した.対照の平均基礎圧は17mmHg,平均収縮圧は188mmHgで,圧力波は十二指腸側へと順行性に伝播し,CCK・OPは基礎圧に影響せず位相収縮を抑制した.38名のうち固く閉じたOddi氏筋のため自在な挿管が困難であった6例を除く32名に満足すべき結果が得られ,25名に対照と比較し位相収縮圧以外の全運動変数の異常が認められた.すなわち,12例に過剰な逆行性収縮,11例に高頻度の位相収縮,8例にCCK-OPに影響されない平均74mmHgの基礎圧上昇,10例にCCK-OPに対する矛盾した反応(7例は位相収縮の増加または不変,3例は基礎圧の上昇)が認められ,これらの異常の多くは胆道痛や腹部不快感などを伴った.
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